【小話】森の熊さん

小話

平日のお休みの日。特にやることもないが、天気は晴れ予報。でも、ガッツリ準備が必要な所へ登りに行く体力も気力も無い。

そんな気分だった時、そういえば、コースタイム5時間くらいでそこそこ歩きごたえもあり、行ってみたいところがあったと思い出しました。

特に山の頂上を目指すというよりは、自然の地形とダム湖と望む知る人ぞ知るくらいのスポットへ行ってまいりました。

入山開始

平日&知る人ぞ知るくらいの知名度も相まって、やや遅いくらいの時間でも駐車場に止まっている先客の車は2台しか止まっていませんでした。

熊注意の看板を見て、こんなところにも熊出るんだな~とか呑気なこと思いながら、入山しました。

自分が選んだ登山道はしばらく人が通って無かったのか、蜘蛛の巣だらけ。木の枝などでできる限り除去をして、時には引っ掛かりつつも、蜘蛛の巣を蹴散らしていく様はゴジラの様な大怪獣になったつもりで自信に溢れていました。

俺、強い!

昼食タイム

結構登って小腹も空き、疲れてきたので、まだまだ樹林帯でしたが軽くおやつを食べることにしました。

本日のおやつは鮭おにぎり!

おやつにしてはガッツリだと?まあ、登山だしこんなもんでしょ。

ということで、いただきます!と一口食べたところで、下の方からガサガサ!と物音がする。
風の音では無いし、何かがいる。
目を凝らすと黒くて大きな物体が動いている。

これは…熊だ。

そして結構デカい

さっきまで、蜘蛛相手に強いとか調子に乗っていたが、
戦ったら…勝てる気がしない

逃げるには…熊って足早いと聞いたことがある

死んだふりは…意味がないとテレビでやっていた

など、脳みそフル回転で妥協策を考えた結果
手には鮭おにぎりを持っている。熊は鮭が好きだ。木こりの熊人形も大体鮭を咥えている。

今日はツイている

好物であろう鮭おにぎりを熊の近くに投げて熊がおにぎりに夢中になっているスキにこの場を離れるという作戦が描かれた。

鮭おにぎり
鮭おにぎり

作戦実行

覚悟を決めて鮭おにぎりを投げた。

緊張していたのか、少しコントロールが乱れ思ったところへ飛ばなかった。

そのせいか、こちらへ向かってゆっくりと近づいてくる。

ヤバい!と思い手元の荷物を漁ると、もう一つおにぎりが。

味はツナマヨだ。ツナも魚介類という点では、鮭と変わらないだろうと思い投げた!

今度は近くに飛んだ。しかし、軽く見たが特に興味を示さず近づいてくる。

ああ終わった

と思った時、近づいてきている熊らしき黒くて大きな物体が色んな装備をしているではないか。

…なんと、ただの大柄の黒い服を着たオッサンだったのだ。

唖然としていると、熊…いやオッサンは何も言わずすれ違っていった。

今回のまとめ

どうやら、黒い服を着た大柄のオッサンに、怯えながらおにぎりを投げていただけみたいです。

山を歩いていたら、猿みたいなやつにおにぎりを投げられたなどの書き込みがあれば、おそらくその猿は私だと思います。

大変申し訳ございません。

熊だと思うものに遭遇した時は、まずは黒い服を着た大柄のオッサンでは無いか確認しましょう。

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