2025年3月13日の情報です。
米国株式市場の動向
最近の米国株式市場では、S&P 500種株価指数とナスダック総合指数が反発しました。これは、2月の米消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことが追い風となりました。CPIの伸びが4カ月ぶりの低い伸びにとどまり、インフレ抑制に一定の進展が見られました。特に、大型ハイテク企業が上昇を牽引し、テスラやエヌビディアが買われました。
一方、ダウ工業株30種平均は0.20%下落しました。市場では、貿易戦争の悪化への警戒が根強く、関税が経済に与える影響が不透明です。
経済指標と政策
- CPIの低迷: 食品とエネルギーを除いたコアCPIは前月比で0.2%、前年同月比で3.1%上昇しました。いずれも市場予想を下回り、インフレ抑制に進展が見られました。
- 利下げの期待: 市場は6月の利下げを完全に織り込み、年内には約70ベーシスポイントの利下げが見込まれています。しかし、金融当局はインフレ期待の安定化を確認する必要があるため、早期の利下げには慎重です。
国債と為替市場
- 米国債利回りの上昇: 米国債利回りは上昇し、特に2年債利回りが1.21%上昇しました。これは、リスク選好の回復がCPI下振れによる追い風を打ち消したためです。
- ドル円相場: ドルは148円台前半で推移し、一時149円19銭まで上昇しました。米国債利回りの上昇が影響しました。
原油と金市場
- 原油先物の上昇: ニューヨーク原油先物は2.2%上昇し、ガソリン需要の増加が要因となりました。ただし、貿易政策の影響で原油価格は依然として不安定です。
- 金価格の上昇: 金スポット価格は0.6%上昇し、インフレデータと政策金利の動向が影響しました。金利低下は利息を生まない金にとって追い風となります。
貿易戦争の影響
- 関税措置の拡大: トランプ大統領が欧州連合(EU)の関税計画に対抗し、米国も関税を発動する意向を示しました。カナダも報復措置を発表し、世界的な貿易戦争が激化する恐れがあります。
- 日本への批判: 米国は日本を鉄鋼のダンピング国として批判し、関税発動を予定しています。
国際情勢
- ロシアとウクライナの停戦交渉: ロシアのプーチン大統領は、自国に有利な条件を確保するために停戦合意を先延ばしにする可能性が高いとされています。
- イランの核開発: イランの最高指導者ハメネイ師は、核開発を追求していないと述べ、トランプ大統領の交渉呼び掛けを「トリック」と切り捨てました。
これらのニュースは、現在の米国市場と世界経済に大きな影響を与えています。貿易戦争の激化や政策金利の動向が、投資家や金融当局に注目されています。
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