米国市況とマーケットニュースのまとめ(2025.3.14)

マーケット

米国株式市場の動向

米国株式市場は大幅に下落し、S&P 500種株価指数は直近高値からの下落率が10%に達し、調整局面入りとなった。主要指数の動きは以下の通り。

  • S&P 500種株価指数: -1.39%
  • ダウ工業株30種平均: -1.30%
  • ナスダック総合指数: -1.96%

個別銘柄では、ソフトウェア大手アドビが業績見通しの悪化を受けて売られた。一方、インテルは次期CEOにリップブー・タン氏を起用するとの発表が好感され、株価が急伸した。

経済指標と政策

米国の2月生産者物価指数(PPI)は前月比横ばいとなった。ただし食品価格は1.7%上昇し、特に卵価格の上昇が影響した。またバークレイズは米国経済の成長見通しを下方修正し、年内に2回の利下げを予想している。ベッセント米財務長官は最近のドル安について「自然な調整」と述べ、市場がトランプ政権の成長推進政策を慎重に見守っていることを示唆した。

国債と為替市場

株式市場の下落を受けて、安全資産への逃避買いが進み、米国債利回りは低下した。利回りの動きは以下の通り。

  • 30年債利回り: 4.59%(-4.3bp)
  • 10年債利回り: 4.27%(-4.6bp)
  • 2年債利回り: 3.95%(-3.4bp)

為替市場では円が主要通貨で唯一ドルに対して上昇し、一時147円42銭まで買われた。一方、ブルームバーグ・ドル・スポット指数も上昇しており、市場参加者は米政権の通商政策リスクに注目している。

原油と金市場

原油市場では貿易戦争激化による経済成長への懸念から需要見通しが弱まり、価格が下落した。また国際エネルギー機関(IEA)は2025年に日量約60万バレルの供給過剰になると予測しており、市場心理をさらに悪化させている。

一方、安全資産として注目される金価格は3日続伸し、ニューヨーク時間で1オンス=2982.21ドルと最高値を更新した。米インフレ指標が落ち着いた内容となり、市場では金融当局による早期利下げ観測が強まっている。金融機関各社も金価格のさらなる上昇を予想している。

貿易戦争の影響

トランプ大統領は欧州連合(EU)が米国産ウイスキーに課税する場合、報復措置として欧州産ワインやシャンパンに200%という高率な関税を課す方針を示した。これにより貿易戦争激化への懸念が一段と強まり、欧州ワインメーカー株も下落した。EU側も米国製品への関税導入計画を進めており、鉄鋼・アルミニウム関税撤回の可能性は低くなっている。こうした状況からウォール街では相場下落時に押し目買いする常態も崩れつつある。

国際情勢

ロシアのプーチン大統領はウクライナでの停戦案についてトランプ大統領との協議を望んでいる。ただしプーチン氏は停戦には長期的な解決策が必要だと警告しており、依然として先行き不透明な状況が続いている。

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